よみがえり続ける伝統とスタイル


「アンティーク」とは、100年以上前につくられたもの
「ヴィンテージ」とは、生産後30年以上経過したもの


今から100年前の日本は明治後期、イギリスはエドワーディアンの時代でした。
フランスでは流行したアール・ヌーヴォーというスタイルがモダン・デザインにすっかり取って代わられた頃です。
アール・ヌーヴォーは植物の形や曲線を取り入れた豊かな装飾性を持つ新しいデザインでしたが、しばらく一世を風靡した後、その華美な世紀末的装飾性が人々に飽きられたのか、次第に時代遅れとなっていきました。
なぜなら、いつの時代も人々は常に新鮮な感覚を求めるからで、それに伴って流行は移り変わります。そうやってデザインや性能はアップデートされ続けるのです。

でも面白いことに、数十年経つと忘れ去られたそのような過去の流行が再び輝きをもって人々に迎えられることが少なからずあります。
アール・ヌーヴォーも1960年代にアメリカでリバイバルが起こりました。それは若い世代には全く新しいものと感じられ、過去を知る世代には懐かしさを抱かせたからでしょう。
流行つまりファッションは、人々の中で流行っては廃れを繰り返しながら過去から未来へと流れて行く一筋の河のようなもの。故きを温ねて新しきを知る。新しく何かを生むときにこそ、古き良き仕事を知ることはとても大切なことで、それは今を生きる私たちの財産です。

古いものが愛されるべき理由が他にもあります。
アンティークの品々は、大量生産することができない非常に手の込んだものが多いです。
今つくろうとすれば、きっと多大な時間と費用と、愛情が必要となることでしょう。時にはその製法が今に受け継がれていないこともあります。
だから、現存する古い品をいつまでも大切に使い続けたいと思います。

それから、オリジナル品には最初にこの世に生み出された感動というかけがえのない魅力があります。

そして、それに100年のストーリーがしみ込むと・・・。
その品の存在してきた時間とは香りたつものなのです。